起業するのに、遅すぎることはない!


 

こんにちは
「好きを仕事に!ライフワーク起業」ナビゲーターの大場靖夫です。

好きなことを仕事にして自分を最大限に活かし、
経済的にも豊かに生きる
中高年のライフワーク起業を応援しています。

わが家の庭のスダチが大分色づいてきました。
秋も深くなりましたが、コートはいつから着て行こうかと
迷う時期でもありますね。

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さて、今回のテーマは「起業するのに、遅すぎることはない!」です。

いくつになっても脳は若返る!

前回、脳はいくつになっても成長するという
ジーン・コーエンの研究結果をご紹介しました。

彼は、71歳のエステル・ジャンセンを
健康な年長者の脳は成長する
典型例として取り上げています。

夫との死別から立ち直ったエステルは、
何か新しい、やりがいのあることを始めたいと
思うようになりました。

20代の学生についていけるだろうか
という不安を抱えながらも
大学院で歴史学の修士号を目指す
ことにしました。

まず、大学院で必要となるパソコン技能を
身につけるために、
年長者向けのパソコン教室に通いました。

「まるで外国語を習っているみたいだった」
と感じるほどパソコンができなかったエステル、
しっかりマスターすることができました。

大学院の歴史のクラスでは、
常に自らすすんで、
時間を掛けて課題に熱心に取り組み
優秀な成績をもらいました。

98歳で修士の学位を取得した!

台湾の趙慕鶴さんの事例はもっとすごい。

彼は40代のとき、小学校の清掃員として
働いていました。

75歳になったとき、
貯めたお金60万円の予算で
イギリス、ドイツ、スイスなどを旅して回りました。

90歳になって病院に通いました。
病人としてではなく、
ボランティアとして働くためです。

病院には70代、80代という
彼よりも「若いお年寄り」が入院していました。

95歳で大学院に入学し哲学を専攻。
98歳で修士の学位を取得しました。

これで終わりではありません。
100歳を迎えた年には、
香港で書道の個展を開きました。
101歳になったとき、
「悠遊100年」という本を書きました。

趙慕鶴

98歳で修士の学位を取得

こんな話を聞くと、
70代や80代で「もう年齢だから…」
などと言ってはいられませんね。

ましてや、
50代、60代だったら
何でもできそうな気がするのは、私だけでしょうか?

中高年からの起業事例 その1 東洋医学を学んで治療院を開業

ここからは、中高年から起業した
日本の事例をご紹介します。

一人目は、石油業界で主に営業畑を歩いてきた男性の事例です。

50歳にさしかかる頃、
サラリーマン人生の先行きが見通せるように
感じた彼、
自分がやりたいことに思いをめぐらせ、
行きついたのが東洋医学です。

その夢をかなえるために、
在職中の53歳から鍼灸学院の夜間部に通い始めました。

54歳のときに早期退職に踏み切り
割増の退職金をもらいました。

56歳のときに国家試験に合格しました。
しかし、50代半ばの彼を
雇ってくれる鍼灸院はありません。

自分で独立してやっていくしかありません。
そのためには、もっと奥義を極める必要があります。

そこで北京中医医院に留学
中国語を習いながらの臨床の勉強です。

帰国した彼、横浜市内に念願の
治療院を開設しました。

中高年からの起業事例 その2 「介護のできる美容師」への転身

IT業界で一貫して営業畑を歩いてきた彼、
施設で暮らす92歳の老女の新聞記事を目にしました。
終日ベッドに寝たきり、医師が診ても
活力を取り戻しません。

ところが、ある日
ボランティアの美容師グループが来て
きれいに髪をカットし、セットしたところ
その日からあちこちの部屋に顔を出し、
施設内を元気に歩き回ったという話です。

この記事に触発され、「介護のできる美容師」を
目指したいと思うようになりました。

それからすぐ、美容専門学校の通信教育を受講、
毎週土曜日には紹介された美容院で働き、
週に2日間は、夜9時から11時半までの
実技の勉強会に参加しました。

美容師の免許を取得したのは55歳のときでした。

次には、ホームヘルパー二級の資格に
挑みました。

こうして60代に入って美容院を開業、
「介護のできる美容師」に転身しました。

彼の座右の銘は
「私の後悔することは、
しなかったことに対してであり、
出来なかったことではない」
という女優イングリッド・バーグマンの言葉だそうです。

以上、2つの事例は「たった一人の再挑戦」(加藤仁著)から
引用させていただきました。

「起業家とは職業を指すものではなく、
社会に価値と感動を提供する夢を持ち、
それに向かって挑戦し続けている
人を指すものです」

これは、多くの起業家を育ててきた
私の尊敬する福島正伸先生の言葉です。

上記の2つの事例を見ると、まさに
この言葉がぴったりという感じですね。

起業した人がすべてうまくいくわけではありません。
むしろ失敗する人の方が多いのが現状です。

次回は、起業になぜ失敗するのか、その原因について
考えていきます。
楽しみにしていてくださいね。

中高年が起業の適齢期!?


 

「好きを仕事に!ライフワーク起業」ナビゲーターの大場靖夫です。

先週の木・金・土の3日間は葉山で仕事。
葉山といえば写真のようなイメージを思い浮かべますが、
仕事ですからずっと部屋の中、

葉山の海

 

 

 

 

まには葉山の素晴らしい景観を楽しみたいものです。

さて、今回のブログのテーマは
「中高年が起業の適齢期!?」です。

30代になるともうダメと言われていた!

私はかつて、
マーケティングの企画会社の社員だった
ことがあります。

その当時、マーケティングの企画の仕事は
30代になるともうダメと言われていました。
新しい発想が生まれないからだというのがその理由です。

ところが、そんな常識にまっこうから
異論を唱えているのが、ジョージ・ワシントン大学
加齢健康人文科学研究センター所長の
ジーン・コーエンです。

彼は、発達心理学者として有名なエリクソンの弟子です。

エリクソンと言えば、
アイデンティティという概念を提唱したことで知られています。

私が大学で心理学を専攻していた頃、
アイデンティティという言葉が日本に入ってきましたが、
その頃はこれを「自己同一性」と訳していましたが、
今では普通にアイデンティティという言葉をそのまま使っていますね。

間違いだらけの脳の常識

ジーン・コーエンは、長年の加齢研究の結果、
年長者の脳には、若年者と同等の学習能力はない
年齢とともに創造性は衰える
というような常識は
すべて間違いであると言っています。

ジーン・コーエンは次のように述べています。

〇経験や学習に応じて、脳は自ら変化する。

〇新しい神経細胞が生涯にわたって生成され続ける。

〇感情を司る脳回路は、年齢とともに成熟しバランスが良くなる。

〇年長者の脳は若年者よりも脳の多くの場所を同時に使う。

つまり、刺激や学習によって、
脳自体が活発に結合を繰り返して成長を続けていくことが、
脳科学の最先端分野で明らかになったということです。

ジーン・コーエンは、
高齢者こそ創造性が高まる事例として、
94歳から彫刻を始めたベアトリス・ピアスを紹介しています。

アメリカにおける大学院生の内訳を調べると、
50歳以上の年齢層の増加が最も著しいそうです。

かの葛飾北斎は、90歳でいよいよ死を迎えるとき、
「天が私にあと10年の時、いや5年の命を与えてくれるのなら、
本当の絵かきになってみせるものを」
と嘆いたと言われています。

しかし、年齢を重ねることが無条件で
脳の発達を促すという訳ではなりません。

過度のアルコールや薬の摂取、無気力、
喫煙、肥満、栄養不良、社会的孤立、
うつ病などの精神疾患が、
脳の知的能力を低下させるということです。

人生の後半生こそ、ライフワーク起業の適齢期!

ジーン・コーエンは、人生の後半生を、
次のように4つの発達段階に分けています。

第1段階 再評価段階  (40代前半~50代後半)
第2段階 開放段階   (50代後半~70代前半)
第3段階 まとめ段階  (60代後半~80代  )
第4段階 アンコール段階(70代後半~人生の最期)

第1段階の再評価段階(40第前半~50代後半)は、

〇いつかは死ぬという事実に初めて向き合う。

〇探究心や、まれに危機感に駆り立てられて
  計画を立てたり、行動を起こしたりする。

〇この段階で起こる脳の変化が発達性知能を刺激し、
  これが知恵の基盤となる。

第2段階の開放段階(50代後半~70代前半)は、

〇「いまやるしかない」という意識を持つことが多くなる。
  これが新たに「内なる開放感」を呼び起こす。

〇自分の要求にしたがい、
  自分の思いや行動について発言していいのだ
  という個人の自由意思から計画を立てたり、
  行動を起こしたりする。

〇新しい何かを欲する気持ちが
  脳の情報処理を司る部位で
  新たな神経細胞の生成を促す。

こうして見ると、再評価段階や開放段階は、
知的な能力が発達しており、自分の思いを
行動に移す起業の適齢期を言うことができます。

特に、自分の好きなことややりたいこと
を仕事にするライフワーク起業には
最も良い年代だと言えます。

50~75歳の林住期が人生の黄金時代!

古代インドでは、人生を次の4つの時期に分けていました。

0~25歳 学生期 良く学び身体を鍛える時期
25~50歳 家住期 仕事に励み、家庭を維持する時期
50~75歳 林住期 真の生きがいを探す時期
75~天寿 遊行期 自分の人生の統括をする時期

林住期は、一通りの苦楽を経験して
人生が分かってきている年代であり、
昔の人は「人生の黄金時代」と呼んで、
楽しみにしていたそうです。

「わりなき恋」という小説を書いて話題になった
女優の岸恵子は82歳、若さの秘訣を聞かれて

「何の目的もないから老けるのよ。
新しいことに挑戦し続ければ老ける暇なんかない。
言葉をかえれば、もっと苦労することが必要なのよ」

と答えたと言います。まさに脱帽ですね。

中高年が起業の適齢期だといっても、
やっぱり自信がないなぁ~、
と思っている方もいるかと思います。

次回は、中高年からでも決して
遅くない事例をご紹介します。
楽しみにしていてくださいね。