「値決めこそ経営!」(稲盛和夫さんの言葉)
こんにちは
「好きを仕事に!ライフワーク起業」ナビゲーターの大場靖夫です。
好きなことを仕事にして自分を最大限に活かし、
経済的にも豊かに生きる
中高年のライフワーク起業を応援しています。
写真は、綾瀬市役所1階ロビーに
飾られている「吊るし雛」です。
「吊るし雛」の発祥地は、伊豆の稲取温泉
江戸時代、子供に雛人形を買ってやれる裕福な家庭は稀で
せめて、子供や孫に端切れで作った雛人形で節句を祝おうと
切ない親心から生まれたのが稲取の「吊るし雛」だそうです。
さて、今回のテーマは
「値決めこそ経営!」です。
価格を決める4つの方法
自分に商品をどのくらいの価格で販売するか?
高くすればお客様は買ってくれないだろうし
安くすれば儲からない
これは誰でも大変悩むところです。
前回のブログでは
あなたが起業する場合
安売り戦略より、高付加価値戦略でいきましょうという話をしました。
ここでは、世の中では、どんな考え方で価格を決めているのか
代表的なものを4つご紹介していきます。
1 コストプラス法
これは一番わかりやすく、多くの小売店や飲食店などで
採用されている考え方
仕入れ原価など掛かった費用に利益を上乗せして決める方法です。
以前、酒屋さんに行くと、こんな声をよく聞きました。
「ディスカウントストアでは
俺たちが仕入れる値段より安く売っているから
やっちゃいられないよ!」
小麦粉があがった、そば粉があがった
値上げしなくてやっていくのは大変だという
飲食店の声も良く聞きますね。
この方法は、競合店が値下げした
仕入れ価格があがった
このような場合の対応が大変な方法です。
2 市場価格基準法
だいたいこの商品の値段の世間相場は
このくらいかなと、標準的な他社の市場価格に基づいて
価格を決める方法です。
これは、原材料費の比率が低い商品の場合に
よく使われる方法です。
この方法も、同じような価値を持った商品の場合
大手が常識破りの価格で参入してくると
苦境に陥ってしまいます。
3 戦略的価格決定法
価格を戦略的にとらえた方法で
既存業界の一般的な価格より
圧倒的な価格差をもって市場に参入する方法です。
この戦略で競合を徹底的に叩いて
市場を支配してしまうという戦略的な方法です。
したがって、損を承知の価格で参入してくると言われています。
4 価値対応価格決定法
一般的な市場価格に関係なく
提供する商品やサービスの価値によって
価格を決める方法です。
この考え方の場合
お客様に提供する価値を理解・納得してもらうことが
前提になります。
「値決めこそ経営」-稲盛和夫さんの言葉
京セラの創業者である稲盛和夫さんは
価格は経営にとって、そのくらい重要なものだと言っています。
では、どのように価格を決めるべきか
「顧客が喜んで支払ってくれる最高の金額を付けるべき」
稲盛和夫さんは、このように言っています。
顧客心理から考えると
価格は次の5段階に分かれます。
第一段階 原価
一般的に原価あるいは原価割れで販売することはないですね。
でも、競合企業をたたく場合
あるいは、目玉商品として集客を図る場合は
原価あるいは原価割れで販売することはあり得ます。
第二段階 「大丈夫か?」と思われる安値
原価までいかなくても
この値段であの店やっていけるのかな?
という値段を付けている店があります。
100円ショップに行くと、このような商品を
見掛けることがありますね。
第三段階 類似商品の価格
「決して安くはないけど
高くもないよね」という価格です。
第四段階 「高いから安心だ」という価格
例えば、情報商品のような
買ってみないと、その商品の中身がよく分からない商品
あまり安いと、大丈夫かなと心配になりますね。
この価格ならば、それなりの価値を提供してくれるだろう
と、思われるような価格設定が必要になります。
第五段階 数%の顧客しか買ってくれないという高価格
JR九州の「ななつ星in 九州」
一人当たりの価格は、1泊2日で15万円
庶民の感覚からは、「うぇ、高けぇなぁ!」
とのけぞってしまいますが、それでも凄い人気ですね。
たとえ数%の顧客であっても、高価格でも買っていきます。
最近日本を訪れる中国からの富裕層もターゲットかも知れませんね。
さて、私たちは、どの段階の価格を目指していくべきでしょうか?
ズバリ、第四段階の「高いから安心だ」という価格です。
フロントエンド商品とバックエンド商品
ネットを使ったマーケティングでは
フロントエンドとバックエンドという言葉がよく聞かれますね。
フロントエンド商品とは
購入しやすい価格でお客様を集めるためのもの
これでお客様との信頼関係を築き
バックエンド商品で利益を出していくという戦略です。
ネット上だけでなく
リアルの商売でこの考え方を応用して
効果をあげている話を聞いたことがあります。
ある畳屋さんの話です。
襖や障子の張替えを競合よりも安い価格で行います。
これがフロントエンド商品
これによってお客様を集めます。
張替えの作業を通して
お客様との信頼関係を築き
バックエンド商品の畳の張替えを販売するのです。
この話を聞いたとき、
私はマーケティング企画会社で苦労していた
頃を思い出しました。
あるキャンペーンの企画のプレゼン
大手代理店とコンペになります。
大手代理店は、キャンペーン企画の提案で利益を出す必要はないのです。
メディアを押さえているので、そちらで利益を出せばいいのです。
一方、私たちの会社はメディアを持っていませんから
キャンペーン企画の提案で利益を出す必要があります。
大手代理店では、キャンペーン企画の提案はフロントエンド商品
バックエンド商品で儲ければ良かったのです。
こんな状況の中で大変苦労しましたが
もう30年以上前の話です。
今回は以上です。
次回は、「見込み客集めが集客のキモ!」です。
楽しみにしていてください。
最後に私のメンター(と私が勝手に思っている)
福島正伸先生の夢を実現する今日の一言から
“どんなに「ありがとう」と言っても、
「ありがとう」の在庫が減ることはない”
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